【連結決算ここが大変】簿記の連結会計と実務の連結決算との違い②データ収集
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【連結決算ここが大変】簿記の連結会計と実務の連結決算との違い①概要
連結会計を勉強中の方へ大半の方は教科書を読んでも専門学校の講師の説明を聞いても訳が分からないと感じられているのではないでしょうか。今回は簿記の連結会計と実務の…
今回はグループ会社からのデータ収集業務の大変さについてお話させていただきます。
連結会計の勉強ではグループ会社からのデータの収集・整理が完了した状態から始まりますが、実務の連結決算では連結処理の前に各グループ会社から連結決算に必要なデータを収集・整理する必要があります。
しかしながらグループ会社からデータ収集・整理が上手くいかず大変な思いをされている会社は多いのではないでしょうか。連結決算に関する相談内容の半分以上がグループ会社からのデータ収集の効率化です。
多くの会社でグループ会社からのデータ収集が上手くいかない理由は主に以下の通りです。
①連結決算を行うのに必要な情報が多い
そもそも論になりますが、連結決算を行うのに必要な情報は非常に多いです。
連結決算に必要な情報は主に以下の通りです。
・個別財務諸表
・その他包括利益の増減明細
・グループ会社との未達取引の金額
・退職給付債務の数理計算上の差異の金額
・日本基準との差異調整が必要な項目及びその金額※在外子会社のみ
・期中に行った資本取引の内容
・グループ会社との取引金額、債権債務債務残高※セグメント別に集計
・期末棚卸資産のうちグループ会社からの仕入分の金額
・グループ会社への販売利益率
・グループ会社との固定資産取引の内容及びその金額
・グループ会社に対する債権の貸倒引当金繰入率
・法定実効税率
・固定資産資産・負債の増減明細
・セグメント別BS、PL
注記情報作成に必要な情報を含めるとさらに収集すべき情報はさらに増えます。これだけ見ても連結決算を行うのに必要な情報が膨大であることが分かるのではないでしょうか。
決算スケジュールを考えるとこれらの情報は遅くとも決算日から2週間以内に収集する必要があります。
なお、これらの情報を効率的に収集するために連結パッケージという連結決算に必要な情報を収集するためフォーマット(主にエクセル)を作成している企業がほとんどです。
②グループ会社から収集した情報に漏れや誤りが多い
グループ会社に連結決算に必要な情報を期限内に親会社に送付させるのは非常に難しいです。
またグループ会社から収集した情報に誤りがあるため、そのまま連結決算に使用できないことも多いです。
これらの原因は主にグループ会社の決算担当者のスキル面にあり、グループ会社の決算担当者は連結会計を理解せずに決算を行っている場合が少なくありません。
たとえ大企業であっても従業員が数人レベルのグループ会社があるケースもあります。
残念ながらこのようなグループ会社でまともな決算ができる可能性は残念ながら低いです。
このような現状から親会社の決算担当者が個別財務諸表の作成から連結決算に必要な情報の作成までを行っているケースもあります。
グループ会社が少ないうちは何とかなりますが、グループ会社が増えた時に親会社の決算担当者の負担が非常に高くなります。
③グループ会社から収集した情報の整理が大変
子会社を買収した、使用しているシステムが異なっているなどの理由で同じ情報でもグループ会社によってフォーマットが異なっているケースも少なくありません。
また会計処理の漏れ、誤りなどの理由で情報に修正が入るのは日常茶飯事なのでグループ会社から収集した情報の最新版を適切に管理する必要があります。
このような状況で収集した情報に漏れや誤りがないか適切に確認、整理することは非常に煩雑です。
④グループ会社とのコミュニケーションが大変
グループ会社から収集した情報間の整合性が取れていなかったり、漏れや誤りがあった場合はグループ会社の決算担当者に確認する必要があります。
しかしグループ会社の決算担当者のスキル面の問題により適切な回答が得られなかったり、特に在外子会社の場合は時差、文化などの理由で回答に時間を要するケースは少なくありません。
≪まとめ≫
データ収集の効率化は連結決算の精度向上及び早期化において必須です。
弊社ではお客様のデータ収集の課題に対する解決方法を豊富に取り揃えておりますため、お悩みのお客様は一度ご相談ください。
次回は個別財務諸表の単純合算の実務についてお話させていただきます。